投稿日: 2022-02-10
goryugoさんおすすめの「伝わるシンプル文章術」をあらかた読んだので、要約を書きます。
書籍リンク: 伝わるシンプル文章術
本書は3章からなります。1・2章は、説得力のある文章とはどういうものか、クイズ文とはどういうものかが書かれています。
3章には、クイズ文を実際に書くときのポイントや注意点が書かれています。以下の要約は、主に1章と2章のものです。
説得力のある文章とは、**「読者に疑問や反論を抱かせ、それに対して答える文章」**です。
説得力のある文章を書くには、クイズ文を書くことが効果的です。クイズ文とは、問題・結論・理由からなる、テレビで出題されるようなクイズと同じ形式の文章のことです。
また、クイズ文ではない文章のことを日記文といいます。日記文は、クイズ文と違って事実と感想からなります。
なぜクイズ文に説得力があるかというと、クイズ文が説得力のある文章の定義にピッタリと当てはまるからです。つまり、クイズ文を読むと、読者は疑問や反論を抱くようになります。またクイズ文にはその疑問や反論に対して、結論と理由で答えます。
なぜクイズ文を読むと議論や反論を抱くようになるのでしょうか?それは人間が「〜か」という疑問文を読んだときに、自然と考える態勢に入るからです。結論と理由だけの文章よりも、それに疑問文(問題)が追加されたクイズ文のほうが、読者をひきつけます。
読者は疑問文を読んで考える態勢に入ると同時に、自分の答えを考えます。そうでなかったとしても、問題に対する著者の答えを読んたときに、「本当にそうだろうか?」「これは少し間違っている気がする」というような反論を抱くことは多いと思います。
また、結論に対して肯定的な立場だった場合も、読者は自分の考えと書かれている根拠が一致するかを考えながら読みます。なぜなら、肯定的な立場であるということは、肯定する理由や経験を持っているということだからです。
2つポイントがあります。1つ目はクイズ文の型を理解すること、もうひとつはディベートから学ぶことです。
クイズ文の型とは、クイズ文の疑問文の種類のことです。型とは制約のことです。制約があるほうが文章を書きやすいので、クイズ文の型を理解することで文章が書きやすくなります。
クイズ文の型でよく使われるのは、「Yes/No型」「How型」です。名前の通り、「Yes/No型」は、「に対してすることは効果的か」のように、答えがYes/Noになる疑問文のことです。また「How型」は「〜するためにはどうすればよいか?」のように、方法を問う疑問文のことです。
ディベートがなぜクイズ文の参考になるかというと、ディベートがクイズ文そのものであると同時に、反論を想定して文章を書くからです。著者によると、ディベートで行う発言を読むだけでも、クイズ文の容量が結構身につくそうです。
これは感想なのですが、私はディベートのことを「相手を言い負かす活動」だと思っていました。しかし、ディベートには発言についての明確なルールがあります。一般的なルールでは、「立論」「第一反論」「第二反論(反論に対する反論)」の3つのステップしかないそうです。著者の言葉を借りると、**ディベートとは「資料を探し、その結果を比べるもの」**です。
クイズ文を使いながら要約を書いてみました。要約にも書きましたが、クイズ文には「問題・結論・理由を書かなければならない」という制約があるので、それのおかげで文章が書きやすかったです。
また、何かが欠けたクイズ文を読むと違和感を感じるということも気づきました。上の要約には、クイズ文の要素が欠けている文章がいくつかあります。例えば、最初の「説得力のある文章とは何か」の項は、理由が欠けています。この文章を読むと、「なぜそれが説得力のある文章なのか説明してほしい」と感じます。